この数か月、あえて地元にあるカフェや洋菓子屋に入ってみるようになりました。きっかけは最寄り駅からの帰り道、おしゃれなカフェを見つけたことです。そこのオーナーさんに、地元の個性的なカフェを教えてもらったり、いまお客さんが少なく、経営が難しいという話を聞きました。その時、スタバに行くより、むしろこういうカフェこそ保護すべき場所だって思いました。
歴史の長い地元の洋菓子屋さん、20歳代の女の子がやっている今年オープンした紅茶のカフェ、週末のみオープンする珈琲専門店…僕がすんでいる足元で、こんなにおいしくおしゃれな場所があったなんて。老人しか住んでいない停滞した田舎だとばかり思っていたので、新鮮な驚きでした。
自分が見過ごしていただけで、ここにも新しい芽は出ていたんだなという期待と安心感。でもこの町に住んでいる私たちが大切に育ててあげないとなくなってしまいそう。ただでさえ貧しく老いた町だから。半ば応援する気持ちで、できる限りこのカフェでお茶したり、焙煎屋で珈琲豆買ったり、プレゼント用焼き菓子を地元で買ったりしています。それがこの町の活性化につながると信じて。
アマゾンとか楽天で、世界中から無機質に、簡単にものが買えてしまうせいか、最近はそれと逆の、めっちゃ地元で、顔が見える距離で、出来たら対面で、ものを購入したい、サービスを受けたいという気持ちが強くなりました。それもお客様が神さま、ではなく、あくまで対等な関係でお金を払う。市場経済ではなく、交換経済のつもりで。
今まで気にもしていませんでしたが、地元に日本酒の酒蔵がいくつもあるみたいです。わざわざ遠い場所の日本酒じゃなくても、まずは地酒を試してみてからでも遅くはないはず。地酒のいくつかはネット販売もしていない、まさに地域密着した酒蔵のようです。変に都会ぶった考えが日本酒で洗い流されるようです。
フードマイレージという言葉があります。CO2を減らし温暖化を防ぐために、地産地消は重要な取り組みだと思います。地元産品を買うことは、地元経済を活性化させる第一歩です。ネットや高速交通網で距離の制約がなくなった現代だからこそ、手元足元を見つめることが、心の平安を取り戻すのに必要ではないかと思っています。
地元を活性化すると大上段に構えた活動は大体空振りします。必要なのは、外から人を呼ぶのではなく、地元で完結させること。地元経済を回す小さな小さな手伝いをすることではないかと思っています。