有楽町に「21世紀の資本」の映画を見に行った。あれだけ話題になった書籍なのに上映館は少ないし、上映回数も控えめで、有楽町の映画館は11:35スタートの一日一回しか上映しない。2014年末に本が出て早5年、この映画が作られたのは2019年ということで、状況は良い方向に進んでいるんだろうか。
映画はいい意味でNHKスペシャルみたいな出来で、過去の映像や歴史を題材にした映画を抜き出して、1700年代から現代にいたるまでの資本家と労働者の格差を見てわかる形で提示してくれる。さらにピケティ本人、イアン・ブレマー、スティグリッツ、フランシス・フクヤマと言った重鎮・一流どころのインタビューも挿入されているので、動く彼らを見れるだけでも大喜び。スティグリッツはこの映画出るの分かるけど、イアン・ブレマーってこっちよりの人だったのか。
2015年の出版から2020年の今までの間どんなことが変わったんだろう。映画の中でいいニュースは何かあったのかと言えば、まあ全くなかった。
- GAFAのようなグローバル大企業がタックスヘイブンを利用して全く税金を払っておらず、お金が中産階級に回らない
- Uber eatsのように社員ではなく個人事業主扱いすることで、労働者が保険や福祉を受けられない(=産業革命時代に逆戻り?)
- グローバル資本主義の権化に対して声を上げずに、隣にいる移民を排斥してしまう、
- AIやロボットは労働者を不要にする。アメリカのタクシー運転手は各州で1,2を争う就労数だが向こう10年で確実になくなる。
翌日、同じ映画館で「世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ」を観た。こちらも本人出演。あんな優しそうな顔してるのに革命闘士だったとは。銀行強盗したり、刑務所に入ってたり、何発も銃で撃たれたり、苦難が人を成長させると言っていたけど、それを言えるだけの生きざまがあるなあ。チェゲバラにつながる中南米の人たちは、欧米帝国主義に対して複雑な思いを持っているんだと改めて感じた。ホームビデオみたいで画面のブレがひどく酔ってしまった。
興味本位で金地金の買い方を聞きに銀座の田中貴金属に行った。思いっきり映画と矛盾してる感じがします。お店の窓口で買うには現金を持っていってその場で現物と交換するそうだ。1㎏のバーが欲しければ100万円の札束6つ窓口まで持っていくわけ。そしたら現物の純金1kgがその場でもらえる。普通振込じゃないの…?まあ相場ものなのでわからなくもないけど、なんとなくびっくりした。金の延べ棒をその場でもらってもねえ。
さらに驚いたのは、地金の売買のブースが6つくらいあるんだけど、すべて満席で受付待ちが出てるということ。普段はさらに混んでいて、整理券を出したりもしてるそうだ。午後には整理券打ち止めとかほんとにあるらしい。金やプラチナの売買するのに整理券って、アイドルのイベントに並ぶのとはわけが違うんだから…
ちなみに上の写真のコインは純金でもプラチナでもなく、赤坂のウィークリーマンションの洗濯機に落ちていた25セント硬貨です。前に住んでた人はアメリカ人だったんでしょうか。