趣味・遊び

ダニ対策としての女王蜂の隔離について(実験中)

ミツバチヘギイタダニによる蜂群のダメージを軽減するために、アピバールやアピスタン、シュウ酸、ギ酸などを使用するのが一般的だが、アピバール・アピスタン(特にアピスタン)に耐性を持つダニが増えており、連用には適さない。シュウ酸は噴霧してから数日しか効果が望めないため、何回も噴霧する必要がある。

特に、上にあげたすべての薬剤は、有蓋蜂児に入ってしまったダニには全く効果がないことが問題となる。それを回避するために、女王蜂を隔離して、産卵を抑制し、有蓋蜂児をなくすことが重要となる。ダニが巣房に入っておらず露出した状態におくことで、薬剤を最大限効かせることができる。

女王蜂を隔離するには、働き蜂が中に入れる(隔)王籠に女王蜂を入れる。竹製、プラスチック製、ロング・小型、巣枠に刺すタイプなど、どんな材質・形状のものでも問題ない。

隔王籠を置く場所は、温度の関係から、夏場は巣枠の中央(巣ヒをくりぬいて籠を入れるか、刺すタイプの隔王籠を使用)、冬場は巣枠の上側(桟の上に置く)が理想的になる。夏場は、巣枠の上においても女王蜂が熱で死ぬことは少ないが、冬場に巣枠の中央に置くと凍死していることがある。

女王蜂を隔離する期間は、産卵8日目の蜂児にダニが入るとすると、働き蜂なら最低14日あければ良いことになるが、外に出ているダニがすべて死んでいることが条件になるため、ダニ剤を事前に投与しておく。実際はもう少し幅があると思うので、有蓋蜂児がなくなる21日間の隔離が一般的だろう。その場合も、隔離前後の期間含めてダニ剤をしっかり懸架しておく。残った有蓋蜂児は冷凍処分する。

女王蜂を隔離して解放したのち、女王蜂が働き蜂に殺されるか、追放されるケースが時々見られる。これは隔離中産卵できないことで、産卵不能なダメな女王蜂とみなされたためと思われる。産卵を継続し、女王フェロモンを生成することで、女王としての地位を維持できるとの記事もある。

隔離した女王が産卵を継続するには、スカルヴィニ王かごのようなものを使うか、女王蜂アイソレーターを使用して、巣枠ごと隔離すれば対応できる。産卵した巣枠は、冷凍して有蓋蜂児ごとダニを殺処理する。どちらも俵養蜂場のカタログに記載がある。

普通の(隔)王籠を使用する場合は、隔離する時期が重要になる。自然に産卵ペースが落ちる真夏(8月お盆時期)か、真冬(1月~)に隔離する。これを守らないと、解放後、女王全滅ということもあり得る。この時期に隔離したとしても、解放後に女王蜂がいなくなることがある。

蜂児、雄蜂の減るこの時期に女王蜂がいなくなるとかなりの痛手になるので、並行して移虫などで女王蜂を増やしておくことがリスクヘッジになるが、複数の女王蜂を維持する手間、移虫の技術などを考えると、趣味レベルの養蜂でそこまでは望めない。