グルメ

自炊した

はたから見たらそんなの大したことないじゃん、ってことでも、自分にとっては大事件でした、ということがある。僕にとっての自炊がそれにあたる。調理以外の家事はほぼすべて自分でこなすことができても、時間が嫌というほど余っていても、背中がくっつくほど腹が減っていても、自炊から目を背けて、カップラーメンとか外食、菓子パンでやり過ごしていた。

それが今日なんと、自分で料理を作った。47年の長きにわたる人生の中で記念すべき日だ。料理の内容は大したことない、野菜と肉を細切れにして、Cook-doの青椒肉絲を混ぜただけ。

今日、料理をして初めて分かったことがある。それは「食べる」に至るまで、食材生産から調理までのとてつもなく直線的で長い時間だ。食料が気軽にコンビニで入手出来て、食べることがスマホ片手に10分やそこらで、さっと終わってしまうから全く気付かなかった。食べ物を自分の口に入れて飲み込むこの30秒のために、食事はどれだけの時間を費やして旅してきたのか。

そんな簡単なことも、長い時間生きてきて、自分で調理して初めて分かった。人生何ごとも挑戦と経験、感受性、そういう姿勢がとても大切だと感じた。食事後は残念ながら、デザート代わりにアルコールとデパスを飲んでしまった。ケミカルはできるだけ避けたかったのに。