勉強・投資・つぶやき

為替と金利の勉強(超基礎編)をしました

ドル建て債券で投資するということになれば、為替と金利の知識が絶対に必要になってくるので、ド素人の僕は「世界一わかりやすい為替の本」「世界一わかりやすい金利の本」上野泰也著で勉強しました。日銀の政策委員会FOMCの発表にとても興味が出てきました。今気づいたけど、本の帯の顔写真が微妙に違っている…(笑)

 

経済が為替相場を動かすしくみ

アメリカの対日貿易赤字が拡大すると、アメリカ企業はドルを円に換えて支払い、日本企業は受け取ったドルを円に換えるために円高ドル安になる。実需筋と投機筋(資本筋)の資金流入割合は2:8なので、次の投資資金の影響の方が大きい。

投資資金が多く集まる国の通貨はたくさん買われるので、価値が高くなる。日本の投資家がアメリカの株式や債券を購入すると、ドル買いが増えるので円安ドル高になる(対外証券投資の増加)。日本企業がアメリカに工場を建てる場合、ドル買い需要が増えるので円安ドル高。景気が良くなると、その国に投資するために通貨が買われ、価値が上がる。株価の上昇が見込まれる国の通貨の価値が上がる。GDPの成長とともに通貨の価値は上がっていく。

内外金利差が大きくなると、お金は金利の高い国に流れて、通貨高になる。ドルの金利が高いと円安ドル高になる。量的緩和の縮小はその国の通貨の買い材料、量的緩和の拡大はその国の通貨の売り材料。

同じモノの値段はどこの国でも同じになる(一物一価)という考えに基づいて、為替相場が動く。インフレ率が高い国の通貨は購買力が減少するため価値が下がり、インフレ率の低い国の通貨は価値が上がる。

 

経済が金利を動かすしくみ

金利を動かす最大の要因は日本国内の景気。好景気では資金需要が高まり金利上昇。長期金利は経済成長率(GDP成長率)と連動している。近年はGDP成長率に関係なく、日銀の異次元金融緩和によって長期金利は低水準に抑え込まれている。

物価上昇しインフレの気配が出てきたら、企業も個人も買いだめするので、資金需要が増えて金利が上がる。デフレなら今あるお金を預貯金に回し、サービスやモノが売れなくなり、お金の需要は減り、金利が下がる。

物価上昇率のマイナスが続いている状態をデフレという。物価が下がれば同じお金で多くのモノ・サービスが利用でき、購買力は実質的に高まるが、企業の収益力が悪化する。

日銀の金融政策は、インフレ(好景気)のときは金融引き締めを行い、利上げをして金利を上昇させ、世の中の資金需要を減らす。デフレ(不景気)のときは、金融緩和を行い、利下げをして金利を低下させ、世の中の資金需要を増やす。

政府の財政政策は、長期金利への影響が大きい。不景気なので財政出動をする場合、国債発行量が増える。景気・物価の回復が予想され、国債の利回り上昇、国債供給量増、長期金利全体も上昇。増税や国家予算の縮小などの財政緊縮の場合、景気が圧迫され、国債供給減、利回り低下、長期金利低下。

為替相場の動き。円高→原材料や輸入品の価格低下、値下げ圧力→デフレ圧力・物価安→金利低下。円安→輸入品値上げ、原材料上昇→物価上昇→金利上昇

 

金利動向を読み解く考え方

長期金利が欧米と比べて低水準(アメリカ2.4%, ドイツ0.4%, イギリス1.1%, 日本0%)なのは、将来にわたり予想される名目GDP成長率が低いため。

好景気なのに低金利のままだと、過剰の設備投資、個人消費、投機熱を招き、景気が過熱してインフレが起きやすくなる(例:バブル経済)。逆に、景気が悪いのに金利だけが上昇してしまう悪い金利上昇は、国の財政事情が大幅に悪化し国債大量増発、デフォルトのおそれ→国債の売却急増→国債価格の急落・金利急上昇(例:ギリシャ危機)

個人投資家のキャピタルフライト(資本逃避)・・・預金や生保を解約して外国債券や外国株式に投資。家計の金融資産1845兆円のうち、外貨運用分は30兆円のみで全体の2%しかなく、ほとんど日本国内で預金・運用されている。

内外金利差に注目したキャリー取引のリスク:①為替相場の変動リスク、②調達通貨の利上げリスク、③貸し手が早期返済を要求するリスク、④ポジション巻き戻しによる運用資産価格下落のリスク

金利は為替レートよりもコントロールされている。金利は日銀の金融政策によって短期金利の水準の大幅な変動が阻止されている。

 

短期金融市場と長期金融市場

短期金融市場(マネーマーケット)・・・1年以下の取引が行われる市場。インターバンク市場とオープン市場。インターバンク市場の中心がコール市場(ex.無担保コール翌日物)。オープン市場の主なものは、CD(譲渡性預金証書)市場、CP(コマーシャルペーパー)市場、TDB(国庫短期証券)市場、債券レポ(現金担保付き債券賃借取引)市場、債券現先市場

短期金利・・・1年以下の金利。翌日物とターム物。翌日物の指標は「無担保コール翌日物金利」、ターム物は「TIBOR」。日銀は公開市場操作で無担保コール翌日物金利を、日銀が目標とする金利水準に誘導する。誘導目標を引き上げることを「利上げ」、引き下げることを「利下げ」。

長期金融市場(資本市場)・・・1年超の取引が行われる市場。=債券市場

長期金利・・・1年超の金利。長期金利は日銀の金融政策の影響以上に、将来の景気や物価動向など、複数の経済要因の見通し(予想)で決まってくる。