グルメ

シノワ銀座でワインに散財する

いままでいろんなワインを飲んできたけど、家で飲むならボトル5000円くらいまで、外で飲むならグラス3000円くらいまで、みたいに無意識に予算のボーダーラインを(低めに)決めて、その枠内でおいしいワインを探してきた。そうすると自然に、ブルゴーニュやボルドーなどのフランス名産地のワイン、オーパスワンなど名前が知れてるワイン、ヴィンテージが古いワインなどは除外される。

せっかく散財しようと決めたんだから、ロマネコンティとまでは言わないけれど、誰もが知ってる有名なワインを大枚はたいて飲んでみたい。「本物の」ワインの味を知るからこそ、そこからの距離でほかのワインの味もわかるのではないだろうか。

そんなことを考えて、70種類以上のグラスワインがそろうワインバー、シノワ銀座を予約した。入店早々いきなり「一番高い酒もってこい!」では、ケンカ売ってるとしか思われなさそうなので、最初は店員さんが提案してくれた白ワインを舐める。酔っぱらって味がわからなくなる前に、おずおずと店員さんに一番高いワインを尋ねてみたら、一杯30000円の赤ワインがあるということなので、躊躇なくそれを頼むことにした。とは言え、ハーフ量にしてもらった(笑)

ハーフグラス15000円のワインがどんなものだって、こちらは素人だからその価格が適正かどうかなんてわからない。「エシェゾー」という名前だけは聞いたことがあったので、有名なワインなんだろう、それだけわかれば良い。これを飲めば今日の目的は果たされる。

サービスしてくれたやさしい店員さんが、毎月開催しているというワイン会のチラシをくれた。参加費は一人約70000円だ。想像以上の高さだが、これこそがぼくが望んでいた「本物の」ワインの世界に違いない。その場で二名分押さえてもらった。

家に帰ってきて、飲んだ15000円のワインと、もらってきた70000円のワイン会のチラシについて徹底的に調べてみた。調べれば調べるほど、ブルゴーニュのワインについて詳しくなれた。その土地、歴史、文化が凝縮されたワインを味わうこと、それを自分で学んで身につけられたこと、これはプライスレスな経験だと言わざるを得ない。

余談だけれど、このお店は食事がとてもおいしい。そしてグラスワインも2~3000円のものが多いみたいでとても良心的だ。散財せずに普通に利用したい(笑)