日常あれこれ

父から「彼女がいる」と打ち明けられた

79歳の父親から話したいことがあると、数日前電話を受けた。シニアマンション内の知人に「金を貸した、印鑑を渡した」と騒ぎ立てて問題を起こしたらしいので、その件だと思って黙って聞いていたら、予想だにしなかった話だった。

「施設内で付き合っている彼女がいる。」それだけでも頭がフリーズする案件だけど、さらに畳みかけてきた。「一緒に寝る関係だが、男性の性機能がもう役に立たないので、いつも奉仕してもらうばかりになってしまい、飽きられてしまった。一か月くらい会っていない。」この話を繰り返し話してくる。それ子供に話す話か?

とにかく一切質問を挟まずに一秒でも早く話が終わるのを待ったが、生活に潤いがでてきたとか、周りから結婚しないのか聞かれたとか、どんどん気持ち悪い方向に進んでしまい、まったく終わる気配を見せない。どうしようもないので、こちらから金を貸した知人の話に、話題を強引に切り替えた。

昨年終わりくらいから、物忘れや忘れ物がひどくなって、いろいろとサポート頻度を増やしている中でのこの話。行く回数を増やしたのも、友達がいなくてさみしかろう、ボケ防止にもなるし、母も昔おばあちゃんの家に毎週のように顔を出していたっけ。いうなれば優しさ?からの行動。

率直な話、父親にいま彼女ができようが、最悪結婚しようがどうでもいい。気持ち悪いが、怒りもわかない。ただ苦しんで死んだ母のことを考えると、もう面倒は見たくない。向こうが好きなことをやっているのなら、こちらも好きにさせてもらいたい。仲たがいした弟が「父親の世話は、遠隔操作以上のことはしない」と言い切ったことこそが達観、正しかったのではないか。

とは言え、一切連絡を絶つことはできない。何かあれば施設から真っ先に電話がくるし、対応せざるを得ない。会社を任せてくれたこと、売却に了解してくれた恩義もある。最低限のやり取りにとどめて、好きに生きていってもらうことしかないと思った。

翌日、施設から電話があって、また「金を渡した、印鑑を渡した」と揉めたらしい。その数時間前に親父と会って、その件は親父の勘違いじゃないの?っていう結論になったにもかかわらず。

ふと思った。もしかしたら彼女ができたとかいうのも、親父の妄想なんじゃないか。「いまは距離置かれてるけど…」っていうのも妄想の常套句な気がする。

施設から、揉めている人と親父の間に入ってほしいと言われたが、現段階ではそれは断った。そこまでしなきゃいけないんだろうか?