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ピアノを再度、弾き始めた。あと坂本龍一

なんでこのタイミングでピアノ弾き始めたんだろう。家にずっとピアノがあっても全然弾かなかったのに。ひとつには今年ファツィオリのグランドピアノ購入したこともある。東京での生活時間が増えてきて、こっちで暇な時間つぶしにちょうど良いというのもある。指先を使うことでボケ防止になるんじゃないかというあさましい期待もある。つまりピアノがすごく弾きたくて再開したわけではないのだ。

弾きたい曲もたいしてなかったんだけど、ベートーベンの悲愴 第二楽章、この曲の美しさは、スピーカーからではなく、本物のピアノで弾いてみたいと思った。ここ二か月くらいは悲愴、ムソルグスキーの展覧会の絵 プロムナード、バッハのカンタータ 147番、この3曲ばっかり練習してきたけど、なんか飽きてきてしまった。まだ全然弾けるようにはなっていませんが。

簡単でキャッチーで美しい曲が弾きたいなーと書店を物色していたら、坂本龍一のピアノ曲集があった。昨年鬱っぽかったときによく聞いてたなあ。気分は戦メリやラストエンペラーではなく、AquaやEnergy Flow。和音が美しく、ピアノの音の良さをダイレクトに味わえるので、弾いていてとても気分が良い。静謐さと諦め、そんなところが自分に合ってる気がして、購入した。

坂本龍一の展示会が現代美術館でやっていて、朝一で行ったらものすごい混雑で、二階のカフェでカフェラテ飲んでそのまま帰宅した。前売り買ったのに無駄になっちゃった。亡くなる直前のピアノライブOpusの映画が見れるというので、歌舞伎町の映画館へ。4500円とべらぼうな価格で驚いたけど、高級感あふれる館内と、広いシート、優れた音響、もろもろ考えたら順当な価値で、機会があればまた行きたい。

スクリーンの坂本龍一は想像していたよりも生き生きしていた。いま自分が練習しているAquaをゆっくりと弾いている姿を見たら泣けてきた。同じ曲を通じて一体になった気持ちだった。