ひとり言

あえて買わないことが環境負荷を最も減らす

環境にダメージを与えてきた仕事

前職でモノづくりに携わっていて、経済を回すため、お金を稼ぐために必要以上に生産しているなあと思っていました。メーカーにいると、小さなモノ一つ作るのにどれだけ環境負荷をかけているかよくわかります。材料を準備して、エネルギーを消費し、一部はスクラップになり、不良品を出しながら、最終製品が出来上がります。何かを生産して、購入して、消費して、という一連のプロセスの中に環境保護につながることはほとんどないと言って間違いないでしょう。

 

買わない、消費しないエコ活動

つまり地球環境に最もやさしいこと、サステイナビリティにつながること、それは派手な広告にのせられてエコ商品を買ったり、流行りのエシカル消費をすることではなく、必要のないものはあえて買わない、消費しない選択をすることに尽きます。企業が環境負荷をかけてモノを生産するのは、顧客がそれを買うから。買わなければその分は生産されず、エネルギー使用量、廃棄物ゼロです。

 

あえて買わないというのは難しい決断

買うお金がなければまだしも、お金があってあえて買わないというのは、簡単なようで難しい決断だと思います。「高価な品を買った、お金を無駄に浪費した」ことは簡単にSNSで自慢できますが、残念ながら「環境のために我慢して買わなかった」ことを写真ではアピールできないことが難しさに拍車をかけます。

毎日スマホの広告にさらされていると、僕もハイブランドのバッグ、入手困難な腕時計、ハイパワーの新車が気になってしまいます。なまじっか買えるだけに、諦めるのにパワーが必要です。買わないことがカッコいいことで、意識的にモチベーションになっていけるか。サステイナブルな消費は買わないことに尽きる、という考えが理解してもらえるか。

お金の使い方

エコのためにあえてモノを買わないというということは、一方で家計にも大いに役立ちます。人は収入を増やすこと、投資すること、お金を貯めることには一生懸命になりますが、お金を賢く使うことには無頓着だったりします。年間100万円で生活できれば、収入も年間100万円で足りてしまいます。いまはやりのFIREだって断然近くに見えてきます。お金がないこと、モノが買えないことが、逆にサステイナビリティの観点からは最も強力な武器になります。

 

自分の消費の方針

お金を多く使う分野と言えば、衣食住、車、あたりかと思います。僕自身が考えている、「自分の身の丈に合った」「買わない」サステイナブルな消費はこんなことです。衣:いま以上に服の数を増やさない。一枚買ったら一枚捨てる。食:グルメにならない。東京カレンダーを敵視する。住:新築一戸建には住まない。いまの家は取り壊さずメンテしながら住む。車:新車を買わない。いま以上に車を増やさない。あえてここで宣言して自分を律していきたいと思います。

 

サステイナブルな消費にもバランスをもって

自動車が趣味なので、残念ながらどうしても車の分野で環境負荷高めになってしまいます。僕が所有している車は、EVやHVに比べてCO2排出量を大量に放出していることは間違いないです。本来なら所有しない、乗らないことが一番なのですが、自分に我慢を強いるエコ活動は続かないので、そこは流動的に考えています。上のような身の丈に合ったサステイナブルな消費をしていると、お金を使うことが減るので貯金が増えてきます。それをどうするのか。