トレッキング

槍ヶ岳(上高地~東鎌尾根ルート)

今まで槍ヶ岳に登りたいと思ったことはありませんでした。むしろ、北アルプスイコール槍ヶ岳登山、みたいなテンプレを気にして避けてすらいました。それが前回、燕岳から槍ヶ岳の穂先を目の当たりにしてから、次は槍ヶ岳のピークを踏みたいと願うようになりました。そんな魔力が槍ヶ岳の独特な山容にはあります。

槍ヶ岳は北アルプスの中でも中心部に位置していて、どのルートを選んでも距離と時間がかかります。だからこそ価値があるわけですが。今回は上高地から穂高岳を迂回して槍ヶ岳まで向かうオーソドックスなルートを取ることにしました。ただ、途中から岩場登りと槍ヶ岳の眺望が良い東鎌尾根を通っていくことにします。

 

槍沢ロッヂの風呂

上高地から横尾までは砂利の林道を延々と3時間歩きますが、さっそく右足の付け根を痛めました。どうやら登山より平地の方が苦手みたいです。一泊目の槍沢ロッヂでは山小屋には珍しく風呂に入ることができますが、15時にチェックインした時、なぜか風呂の待ち行列ができていました。

そんなにせっかちにならんでも…と思い16時過ぎに風呂に入ったら、その理由が分かりました。風呂はお湯がためてあるだけ、身体を洗うスペースも流すスペースもない。お湯がとにかく汚い。疲れは取れましたが、湯船を泳ぐ様々な物体X…次回は僕も真っ先に並びます。

 

東鎌尾根

東鎌尾根は上高地からの槍沢ルートを使うならぜひ登ってもらいたいです。尾根に上がってからも岩場の上りが続くのと、比較的足場が狭いので、バランスを崩したら即滑落という危険はあります。別記事にしましたが、僕はここで危ない目にあいました。それでも槍ヶ岳を正面に見ながら迫ってくる眺めは何にも代えがたい素晴らしい体験です。

 

宿を変える

二泊目に槍ヶ岳山荘を予約していましたが、ヒュッテ大槍でバスクチーズケーキとチョコバナナケーキを食べていたら、明日の天気が悪そうなのもあって、このこぢんまりとした山小屋に泊まりたくなってきました。予約変更して、荷物をデポして槍ヶ岳の穂先へ向かいます。

穂先の登頂は思ったより高度感のある岩場で楽しませてもらえました。槍沢ロッヂで布団を並べたおっさんや山頂で写真撮りあったおっさんと、ふきっさらしの槍ヶ岳山荘近くでぐだぐだ話しました。

 

モルゲンロート

夕焼けは槍ヶ岳が影になってしまうのと、あまり空が赤くならず不完全燃焼でしたが、朝焼けは常念山脈側から太陽が表れると、モルゲンロートの字句どおり槍ヶ岳が真っ赤に染まりました。槍ヶ岳山荘からは見ることができないこの景色、宿を変えて本当に良かった、天気予報も外れて晴れわたるなんて。

下山は粛々と。東鎌尾根を避けて通常ルートで降りるので危ないところもありません。たくさんの素晴らしい思い出を持って、18㎞7時間黙々と歩いて上高地に戻ってきました。